目次
ACE阻害薬の副作用について
ACE阻害薬は、高血圧や心不全の治療薬で、アンジオテンシンIIの生成を抑えて血管を広げ、血圧を下げる作用があり、腎保護効果も期待されます。
代表的な薬にはエナラプリル、リシノプリル、カプトプリルがありますが、以下のような副作用に注意が必要です。
- 正
空咳(乾性咳嗽)はACE阻害薬の代表的な副作用の一つで、ブラジキニンの蓄積による気道刺激が原因とされています。空咳自体は重篤な症状ではありませんが、持続すると日常生活に支障をきたすことがあり、ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)等への切り替えが検討されます。
- 正
血管浮腫はACE阻害薬の稀な副作用ですが、重大なものとして知られています。ACE阻害薬はブラジキニンの分解を抑制する作用を持つため、これが蓄積して血管透過性が増加し、顔面や喉などの組織に浮腫を引き起こします。
- 誤
「高カリウム血症」が正解です。これは、アンジオテンシンIIの減少によってアルドステロンの分泌が低下し、腎臓でのカリウム排泄が抑えられるためです。
もう少し噛み砕いて説明します。
RAAS(renin-angiotensin-aldosterone system)が活性化した状態(昇圧に働く)では、アルドステロンが尿細管でのNa+の再吸収(にともなうK+の排出)を促進して体液量を維持します(下図参照)。
したがって、RAA系の活性化→低カリウム血症を誘発します。
一方で、ACE阻害薬やアンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、抗アルドステロン薬はこの逆(降圧剤のため、昇圧に働くRAA系を阻害)のため、「高カリウム血症」となります。
血漿のカリウム値は様々な要因によって変動しますが、アルカローシス(血液がアルカリ性に傾いた状態)時は、血漿カリウム値は上昇するでしょうか?下降するでしょうか?
あわせて読みたい


アルカローシスでカリウム値は上昇する?低下する?
アルカローシスは血液がアルカリ性に傾いた状態ですが、その影響でカリウムのバランスも変化します。この記事では、図解を交えてそのメカニズムを分かりやすく解説し、覚え方も紹介しています!
副作用の覚え方
空咳の出現に注意
ACE阻害薬による空咳の出現は必ず覚えておいてください。

高カリウム血症
機序は先程の説明通りですが、結論を暗記しておくと色んな場面で役に立ちます。
頻出の副作用ではありませんが、RAASを働きにより以下のように血漿のカリウム値が変動することをポイントとしておさえておきましょう!
point
- RAASの活性化→低カリウム血症を誘発
- RASSの阻害→高カリウム血症を誘発
「ACE阻害→血漿カリウム値を上昇」ではなく「RAAS阻害→血漿カリウム値を上昇」と覚えておいた方が、幅広い薬剤での理解に繋がります。

(おまけ)カリウム値の正常値の覚え方
カリウムの血中濃度の正常範囲は、3.5~5.0mEq/Lです。
基準値は資料によって、多少誤差があります。
覚え方
「カリをみこすり半」
→カリウム値の基準は3.5~5mEq/L
諸事情により、ゴロ合わせのイメージイラストは添付できません!笑
是非、この機会に覚えておいてください!
ACE阻害薬は高血圧や心不全の治療に用いられる薬ですが、副作用も存在します。代表的な例やその仕組みをわかりやす…












コメント