目次
「びらん」と「潰瘍」の違い

皮膚や粘膜に起こる損傷のうち、「びらん」と「潰瘍」は、傷の深さによって区別されます。以下でその違いをまとめた表となります。
| 分類 | びらん | 潰瘍(かいよう) |
| 深さ | 表皮や粘膜の最表層に限られる | 真皮やそれより深い組織にまで及ぶ |
| 原因 | 摩擦や軽い外傷、炎症 | 感染症、強い炎症、血流障害 |
| 治療 | 軽度の場合、特別な治療を必要としない | 薬物療法や場合によっては手術が必要 |
「びらん」や「潰瘍」に関連する主な疾患
「びらん」や「潰瘍」は、胃や腸、皮膚、口腔など、体のあらゆる場所で発生する可能性があります。また、それぞれの疾患には特有の症状や原因があり、適切な対応が必要です。以下では、これらの状態が関係する主な疾患を取り上げ、それぞれの特徴について簡単にご紹介します。
- 胃潰瘍:胃の内壁に深い傷(潰瘍)ができる疾患。ピロリ菌感染やストレスが原因になることがあります。
- びらん性胃炎:胃の粘膜表面がただれ(びらん)を起こしている状態。胃の痛み、吐き気、嘔吐、吐血や黒色便(出血がある場合)等が主な症状です。
- 潰瘍性大腸炎:大腸の粘膜に慢性的な潰瘍ができる自己免疫疾患。下痢や血便が主な症状です。
- 逆流性食道炎:胃酸の逆流により食道にびらんが発生する疾患。胸焼けや呑酸が特徴です(※軽度の場合は「びらん」、重度では「潰瘍」に発展することがあります)。
- 褥瘡(床ずれ):長期間の圧迫による血流障害で、皮膚や組織が潰瘍化する状態。特に寝たきりの患者さんに多いです(※基本的に「潰瘍」を指しますが、初期段階では浅い損傷が見られる場合もあります)。
- 口腔潰瘍(アフタ性潰瘍):口の中に小さな潰瘍ができる状態。ストレスや栄養不足が原因となることがあります。

病名にびらん性や潰瘍性と付いているものがあるね!
どちらがより深い傷かを覚える方法

参考文献
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「消化性潰瘍」(潰瘍とびらんの深さの違いに関する医学的定義)
- 国立国語研究所「『病院の言葉』を分かりやすくする提案」(潰瘍・びらんの一般向け解説)
- 丸山保彦.「びらんと潰瘍(gastric erosion, gastric ulcer)」.『胃と腸』52巻5号. 2017. (消化器領域における専門的定義)
びらんと潰瘍、どちらが深い傷なのか知っていますか?皮膚や粘膜の損傷具合によって定義が異なります。ポイントの簡単…

コメント