ケトプロフェンテープ(商品名:モーラス®テープ)とはどんな薬?
ケトプロフェンテープ(商品名:モーラス®テープ)の成分・用途について
ケトプロフェンテープ(商品名:モーラス®テープ)は、ケトプロフェンという成分を有効成分とする鎮痛消炎作用を持つ貼り薬であり、以下のような痛みを伴う炎症の症状緩和に用いられます。
ケトプロフェンテープ(商品名:モーラス®テープ)の効能又は効果
- 腰痛症(筋・筋膜性腰痛症、変形性脊椎症、椎間板症、腰椎捻挫)、変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛
- 関節リウマチにおける関節局所の鎮痛
モーラス®テープ20mg添付文書2024年10月改訂(第2版)参照
ケトプロフェンの作用機序
ケトプロフェンは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種です。痛みや炎症の原因物質であるプロスタグランジンの生成を抑えることで、抗炎症作用、鎮痛作用を発揮します。経皮吸収性に優れており、貼付した部位に直接作用することが特徴です。

ケトプロフェンテープ(商品名:モーラス®テープ)使用時は皮膚トラブルに注意
光線過敏症に注意
ケトプロフェンテープ(商品名:モーラス®テープ)を貼付した部位に紫外線が当たると、光線過敏症(発疹、発赤等)が出現することがあります。
ケトプロフェンのように長い共役系を持つ医薬品(下図の構造式参照)は、紫外線エネルギーを効率良く吸収し、不安定な状態(高いエネルギー状態)になりやすい性質があります。不安定な状態の分子が皮膚でアレルギー反応を引き起こし、光線過敏症が生じると考えられています。
そのため、使用中は濃い色の長袖やサポーターで患部を覆い、紫外線を当てないようにします。

光線過敏症に注意が必要な期間とその覚え方
テープをはがした後も4週間は注意が必要です。
曇りの日でも紫外線は透過してくるため、油断は禁物です。

テープ剤による「かぶれ」に注意
テープ剤はパップ剤(厚みがあり水分を多く含むタイプ)に比べて、粘着力が強いため、皮膚への刺激が大きくなる傾向があります。関節など動きの多い部位にしっかり貼り付いてはがれにくいという利点がある反面、かぶれの原因にもなりやすいのです。
テープ剤とパップ剤の違いについて
- テープ剤は粘着力が高く1日1回製剤が多い(ゼポラステープ、セルタッチテープなど例外あり)
- パップ剤は水分を多く含み1日2回製剤が多い(モーラスパップXR、ロキソニンパップなど例外あり)
1日の貼付回数については、例外も多々存在するため、テープ剤とパップ剤の1日の貼付枚数について調べてみました。
1日2回のパップ剤
- インドメタシン
(イドメシン、インサイド、カトレップ、ラクティオン、アコニップ、インテナース、コリフメシン、ゼムパック、ハップスター) - ケトプロフェン
(ミルタックス、モーラス、ラクール) - フェルビナク
(セルタッチ) - フルルビプロフェン
(アドフィード、フルルバン、ゼポラス)
1日1回のパップ剤
- ジクロフェナク
(ナボール) - ロキソプロフェン
(ロキソニン) - ケトプロフェン
(モーラスXR)
1日2回のテープ剤
- インドメタシン
(カトレップ) - フェルビナク
(セルタッチ) - フルルビプロフェン
(ヤクバン、ゼポラス)
1日1回のテープ剤
- ケトプロフェン
(モーラス) - ジクロフェナク
(ナボール、ボルタレン) - ロキソプロフェン
(ロキソニン) - エスフルルビプロフェン
(ロコア)
パップ剤は1日2回製剤が多く、テープ剤は1日1回製剤が多いです。
モーラスパップは1日2回ですが、モーラスパップXRはパップ1日1回製剤である点に注意しましょう。「XR」はeXtended Releaseの略で「徐放性」を意味します。
次に薬剤毎に注目してみると、インドメタシン、フェルビナク、フルルビプロフェンときたらテープ剤、パップ剤に関わらず1日2回、ジクロフェナク、ロキソプロフェン、エスフルルビプロフェンときたら1日1回ですね。
さて、これをどう整理して覚えていくかですが、
まず、だいたいはパップ剤は1日2回製剤が多く、テープ剤は1日1回製剤が多いと覚えておきましょう。
一般的に
テープは「゜」が1個→1日1回
パップは「゜」が2個→1日2回
と覚えましょう!
あとは、ジクロフェナク、ロキソプロフェン、エスフルルビプロフェン(ロコア)のように、成分名か商品名にロが付いてたら1日1回と覚えましょう。
注意点として、NSAIDsの多くは~プロフェンで終わると思いますが、~プロフェンの「ロ」はこのカウントに含めないでください。
かぶれの対策方法
テープ剤使用によるかぶれ対策として、貼付部位を少しずつずらしたり、長時間の貼付は避けるようにしましょう(目安は8~12時間程度)。
参考までに、製造販売業者へ貼付時間について問い合わせを行いましたが、「8時間貼付後のテープに残存する有効成分が30%だった試験結果から、8時間の貼付で70%吸収されると考えられます。」と回答をいただきました。
モーラス®テープは1日1枚なら何枚貼ってもいい?
添付文書やインタビューフォームを調べましたが、上限量について記載はなく、基本的に何枚使用しても問題がないと考えられます。



じゃあ、全身が痛いから両足に2枚ずつと腰に大きいサイズ2枚と両肩に1枚ずつ、あと腕も痛いから合計10枚貼ってもいい?
うーん、さすがにそれは…
ずっと疑問だったため、こちらも製造販売業者へ問い合わせを行ったところ、「長期(6ヶ月)連用試験を実施して副作用が起きなかった結果から、安全性上の1日の使用枚数上限はモーラステープL40mgは2枚まで、モーラステープ20mgは4枚までと案内を行っております。」と回答をいただきました。
参考文献
- モーラス®テープ20mg添付文書(2024年10月 改訂(第2版))
- モーラス®テープ20mg、L40mgインタビューフォーム(2024年10月 改訂(第2版))
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA) 「患者向医薬品ガイド モーラス®テープ20mg」
ケトプロフェンテープ使用後の光線過敏症リスクについて、注意が必要な期間や適切な対策を解説。患部を紫外線から守る…









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