クイズの正解
- 誤
エボラ出血熱は、エボラウイルスによる重篤な感染症です。症状としては、高熱、出血、臓器不全を引き起こし、致死率は約50~80%程度です。エボラウイルスはヒトからヒトへと感染するため、感染拡大を防ぐための隔離や治療が重要です。致死率は高いものの、適切な治療を受ければ回復する可能性もあります。 - 正
- 誤
マラリアは、プラスモディウムという寄生虫によって引き起こされる病気です。症状としては、高熱、貧血、倦怠感があり、治療を受けなければ致命的になることもありますが、適切な治療を受ければ死亡率は低く抑えられます。現在では治療薬が確立されており、発症後すぐに治療を行うことで命を救うことができます。
クイズの正誤は上記の通りですが、以下で詳しく狂犬病についての解説を行います。
狂犬病とは?
狂犬病は、発症すると致死率がほぼ100%に達する非常に危険な感染症です。
犬などの感染した動物に咬まれることでウイルスが体内に侵入し、神経系を介して脳に到達します。
狂犬病の恐ろしさは、ウイルスが神経親和性を持つことに起因しますが、一度発症すると治療法がなく、死亡を避けることができません。
狂犬病ウイルスについて
狂犬病ウイルスは、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae family)のリッサウイルス属(Lyssavirus genus)に分類されます。
このウイルスは、ゲノムにマイナス鎖一本鎖RNAを持つエンベロープウイルスであり、電子顕微鏡下では弾丸のような特徴的な砲弾型をしています。
最大の特徴は、神経細胞に特異的に感染し、末梢神経を介して中枢神経系へと移動・増殖する高い神経親和性を持つことです。

病態の進行
感染した動物に咬まれた際、ウイルスは傷口から体内に侵入し、筋肉内で増殖した後、近くの末梢神経の末端に取り込まれます。
その後、ウイルスは神経線維の軸索を伝って、比較的速い速度で中枢へと移動し、脊髄を経て脳に到達します。
この脳への侵入と増殖が、致死的な脳炎の発症を意味します。
脳炎が進行すると、恐水症(水を飲もうとする際の咽頭筋の激しい痙攣)や、興奮・錯乱・幻覚といった重篤な神経症状を引き起こします。
最終段階では、生命維持に不可欠な嚥下(飲み込み)や呼吸を制御している脳幹の神経細胞が破壊され、これにより呼吸筋が麻痺し、呼吸停止に至ってほぼ100%の致死率で死亡します。
発症してしまった時点では、この脳の破壊を止める有効な治療法は現代医療では確立されていません。
狂犬病ウイルスを持つ動物に咬まれて発症した場合の一般名な症状の経過は以下の通りです。
- 潜伏期間:感染から症状が出るまでの期間は1ヶ月~3ヶ月程度(最短で10日程度、長くて1年以上のケースも存在)。
- 初期症状(前駆期):発熱、頭痛、全身の倦怠感など、風邪と似たような非特異的な症状が数日から1週間程度続く。
- 急性神経症状期:ウイルス性脳炎の影響で不安、錯乱、恐水症(喉の痙攣)などが1週間程度続く。
- 昏睡期:麻痺が進行し、最終的には昏睡状態に陥り、呼吸不全により死に至る。
発症を防ぐ方法
狂犬病を予防するためには、ワクチン接種が重要です。
- 噛まれる前にワクチン接種を行う
狂犬病が流行している地域やリスクの高い環境で生活・旅行する場合、事前にワクチン接種を受けることが推奨されます。 - 噛まれた後にワクチン接種を行う
万が一、動物に噛まれてしまった場合でも、すぐに医療機関でワクチンと免疫グロブリンを投与することで発症を防ぐことができます。噛まれてからすぐに対応すれば、発症を防げる確率が高くなります。
重要なのは、噛まれてから可能な限り早く対応することです。
時間が経つほど治療が難しくなり、発症するリスクが高まります。
「発症させないこと」が何より大事だよ。
狂犬病は予防可能な感染症であり、発症すればほぼ100%死亡するため、予防策が極めて重要です。
クイズのその他の病気(エボラ出血熱、マラリア)も致死率は高いものの、適切な治療を受けることで回復する可能性があります。
参考資料
- 国立感染症研究所. 狂犬病(詳細版). 感染症法に基づく医師の届出のためのガイダンス.
- 厚生労働省検疫所FORTH. 狂犬病(Rabies). 海外渡航者のための感染症情報.
- 厚生労働省. 狂犬病に関するQ&Aについて.
- MSDマニュアル プロフェッショナル版. 狂犬病.
- 日本獣医師会雑誌. 狂犬病—診断と対策—.
- 世界保健機関(WHO). Rabies Fact Sheet. (狂犬病の定義、疫学、症状、予防に関する国際的な基準).
- 栄研化学. 狂犬病 −最新の知見も含めて−. モダンメディア. (ウイルスの分類や病原性に関する解説記事).
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